猫の繁殖可条件での譲渡について
【子猫の繁殖可条件での譲渡に関するお約束事について】
Last updated on Feb 9, 2014, 転載
先日、子猫を繁殖可条件でお譲りする件に関する話題が出たので、繁殖者間のお約束事について触れてみたいと思います。
お約束事といっても、実際は、乱繁殖を防ぎ、繁殖可条件で譲渡された猫が健全に飼養されることを主な目的とした、健全な繁殖を続けていくための当たり前の事柄ばかりで、欧米と日本の良識のある繁殖者の間では昔から一般的なことでもあります。
詳細につきましては、個々の繁殖者で多少異なる場合がありますが、ご了承ください。
主なお約束事は次のとおりです。
・生まれた子猫で繁殖者が残す以外の子猫は、譲渡する際は、キティミルや良識的でない繁殖者に渡ることを防ぐ意味で、必ず不妊・去勢必須条件で譲渡する。繁殖可条件で譲渡できる子孫の代について制限を設けることもあります。
欧米では、不正な譲渡を防ぐため、更に一歩進んで、早期に不妊・去勢手術をした後に子猫を譲渡する方法が一般的になりつつあります。
・繁殖可で譲渡する場合は、事前に親猫の親元の承諾を得る。これは、血統の組み合わせで生じるエラーを未然に防ぐことが主な目的です。
・繁殖可条件で譲渡された繁殖者は、親元の譲渡条件を引き継ぐ。不正譲渡と乱繁殖防止が目的です。
・交配する相手の猫は、事前に親元に知らせる。外交配をする、請ける場合も同様。理由は先のエラー未然防止と同様です。
・繁殖可条件で譲渡された猫を、繁殖可の状態で無断で譲渡しない。不正譲渡と乱繁殖防止が目的です。
・繁殖年齢上限を設ける。例えば、オス猫はスプレー行為等オス特有の性質から、居住空間を制限されることが多く、年間の交配回数も制限されることから、猫によってはストレスが強いため、そのように猫に負担がかかる時間をできるだけ短縮、制限することが目的です。メスの場合も、出産回数を重ねる毎に、子宮の状態は劣化していくと言われています。
・繁殖可条件で譲渡された猫を、繁殖から引退させた際に、必要であれば、適切な飼養先を見つける。
ご覧いただくと判るように、繁殖可条件で猫を迎えた繁殖者が、繁殖者同士で新たな関係を築いたり、繁殖や子猫の譲渡をするのに、何ら支障のないものばかりです。
強制、強要という言葉からは程遠い内容で、むしろ、親元になる繁殖者は、後継の繁殖者を助ける立場になります。
もしも、上記のような内容を、面倒という繁殖者がいるなら、良識的でなく、はじめから良からぬことを企む人間ということになるでしょう。
一方で、国内の一部の繁殖者に、生まれた子猫の譲渡に関して常識的な範囲を超えて関わろうとする、アソシエーション加入やショー参加、タイトル獲得の強要等の行為が見られるという報告があります。
これらの行為は、最初に書いた、お約束事のイメージの無意味な悪化を助長するだけです。
もしも、私たち繁殖者が、上記の内容について助言するとしたら、それは例えば、ショーに夢中になる余り、あるいは、人間同士のお付き合いのためのコミュニケーションツール状態になり、猫に過度の負担がかかっているような場合に、猫を気遣わなければと伝えることくらいでしょう。
これらの約束事は、口頭で交わされることもあれば、契約書等の文書で交わされることもあります。悪意があれば、口頭での約束は、違える際の格好の口実にもなり得ますが、良識のある繁殖者同士の間ではそれが起こりませんから、口頭で交わされることも少なくありません。
また、これらのお約束事は、繁殖者が繁殖に携わらなくなった後や、亡くなった後も基本的には有効です。有効、というより、猫や血を受け継いだ側に良識があれば、守っていくことが自然になっています。
猫を繁殖可条件で譲渡する際のお約束事については、概ねこんな感じです。
【ご参考・繁殖者間取引の諸問題等について】
『招かれざるお客様』白狼猫舎-こねこ便り-
『残念なこと』白狼猫舎-こねこ便り-
『御礼』白狼猫舎-こねこ便り-
Last updated on Feb 9, 2014, 転載
先日、子猫を繁殖可条件でお譲りする件に関する話題が出たので、繁殖者間のお約束事について触れてみたいと思います。
お約束事といっても、実際は、乱繁殖を防ぎ、繁殖可条件で譲渡された猫が健全に飼養されることを主な目的とした、健全な繁殖を続けていくための当たり前の事柄ばかりで、欧米と日本の良識のある繁殖者の間では昔から一般的なことでもあります。
詳細につきましては、個々の繁殖者で多少異なる場合がありますが、ご了承ください。
主なお約束事は次のとおりです。
・生まれた子猫で繁殖者が残す以外の子猫は、譲渡する際は、キティミルや良識的でない繁殖者に渡ることを防ぐ意味で、必ず不妊・去勢必須条件で譲渡する。繁殖可条件で譲渡できる子孫の代について制限を設けることもあります。
欧米では、不正な譲渡を防ぐため、更に一歩進んで、早期に不妊・去勢手術をした後に子猫を譲渡する方法が一般的になりつつあります。
・繁殖可で譲渡する場合は、事前に親猫の親元の承諾を得る。これは、血統の組み合わせで生じるエラーを未然に防ぐことが主な目的です。
・繁殖可条件で譲渡された繁殖者は、親元の譲渡条件を引き継ぐ。不正譲渡と乱繁殖防止が目的です。
・交配する相手の猫は、事前に親元に知らせる。外交配をする、請ける場合も同様。理由は先のエラー未然防止と同様です。
・繁殖可条件で譲渡された猫を、繁殖可の状態で無断で譲渡しない。不正譲渡と乱繁殖防止が目的です。
・繁殖年齢上限を設ける。例えば、オス猫はスプレー行為等オス特有の性質から、居住空間を制限されることが多く、年間の交配回数も制限されることから、猫によってはストレスが強いため、そのように猫に負担がかかる時間をできるだけ短縮、制限することが目的です。メスの場合も、出産回数を重ねる毎に、子宮の状態は劣化していくと言われています。
・繁殖可条件で譲渡された猫を、繁殖から引退させた際に、必要であれば、適切な飼養先を見つける。
ご覧いただくと判るように、繁殖可条件で猫を迎えた繁殖者が、繁殖者同士で新たな関係を築いたり、繁殖や子猫の譲渡をするのに、何ら支障のないものばかりです。
強制、強要という言葉からは程遠い内容で、むしろ、親元になる繁殖者は、後継の繁殖者を助ける立場になります。
もしも、上記のような内容を、面倒という繁殖者がいるなら、良識的でなく、はじめから良からぬことを企む人間ということになるでしょう。
一方で、国内の一部の繁殖者に、生まれた子猫の譲渡に関して常識的な範囲を超えて関わろうとする、アソシエーション加入やショー参加、タイトル獲得の強要等の行為が見られるという報告があります。
これらの行為は、最初に書いた、お約束事のイメージの無意味な悪化を助長するだけです。
もしも、私たち繁殖者が、上記の内容について助言するとしたら、それは例えば、ショーに夢中になる余り、あるいは、人間同士のお付き合いのためのコミュニケーションツール状態になり、猫に過度の負担がかかっているような場合に、猫を気遣わなければと伝えることくらいでしょう。
これらの約束事は、口頭で交わされることもあれば、契約書等の文書で交わされることもあります。悪意があれば、口頭での約束は、違える際の格好の口実にもなり得ますが、良識のある繁殖者同士の間ではそれが起こりませんから、口頭で交わされることも少なくありません。
また、これらのお約束事は、繁殖者が繁殖に携わらなくなった後や、亡くなった後も基本的には有効です。有効、というより、猫や血を受け継いだ側に良識があれば、守っていくことが自然になっています。
猫を繁殖可条件で譲渡する際のお約束事については、概ねこんな感じです。
【ご参考・繁殖者間取引の諸問題等について】
『招かれざるお客様』白狼猫舎-こねこ便り-
『残念なこと』白狼猫舎-こねこ便り-
『御礼』白狼猫舎-こねこ便り-